教室紹介 About 当教室の概要
当教室の概要
教室の特徴
当教室の医局員の出身大学は多岐にわたり、形成外科、小児科、救急の経歴を持つ医師、歯科麻酔科医を目指す医師など様々です。それぞれの経験を生かした知識、手技を提供し、またそれを皆が尊重し、共有することが教室の発展に繋がっています。また、当教室では学会発表を国内外で積極的に行い、麻酔科専門医取得後は更なる専門分野での認定医の取得や国内留学、博士号取得を目指して大学院への入学も奨励しています。
当教室では、術前患者管理から術後早期回復まで周術期全体を管理できる医師、ペインクリニックや集中治療、緩和ケアなど麻酔関連分野で活躍できる医師など、医療制度や時代の潮流に合わせ、安全で高度な医療を提供できる医師の育成を目指しています。
手術麻酔
当院には14室の手術室があり、年間手術症例数は約8,500例、そのうち約7,000例を麻酔科が管理しています。昨年度はコロナ渦の影響もあり年間手術症例数は約7,700例、そのうち麻酔科管理数は約6,300例でした。当院で行われる手術内容は多岐にわたり、周術期医療の質と安全を担保する我々麻酔科医の責任はますます大きくなっています。
手術中の全身管理に留まらず、手術を計画する時点から、全身状態の評価と改善に注力しています。また、手術後の痛みは、創部治癒、早期離床、リハビリの開始など、術後の回復の妨げになります。当院では、術後痛の軽減に早くから注目し、患者さん自身による鎮痛コントロール、PCA(Patient-Controlled Analgesia)を全国に先がけて導入しました。現在、硬膜外PCAまたは、静脈内PCAを使用して、術後の痛みを治療しています。
ペインクリニック
痛みの診断と治療を専門的に行う診療分野で、主な対象疾患は帯状疱疹、急性腰痛症などの急性痛と帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、がん性疼痛、遷延性術後痛など様々な慢性痛です。
急性痛に対しては、神経ブロック療法を用いた集中的かつ効果的な除痛を行い、治療期間をできるだけ短くすることを目指しています。特に、重症で痛みが強い帯状疱疹の患者さんには、抗ウイルス薬を用いた一般的な治療に加えて、入院での持続硬膜外ブロックや集中的なリハビリテーションも行っています。慢性痛は各種薬物療法を主体に行っていますが、病態によっては高周波熱凝固法やパルス高周波法を用いた神経ブロック、脊髄刺激電極療法などのインターベンショナル治療も積極的に行っています。がん性疼痛治療も各種薬物療法を主体としていますが、一般的な治療では緩和することが難しい痛みに対しては、内臓神経ブロックなどの専門性の高い神経ブロック治療も行っています。
術後の痛みや神経損傷後の痛みなどの神経障害痛の治療も、当科の重要な仕事であり、関連各科、各施設からご紹介をいただいています。
集中治療
4床の外科系ICUを麻酔科医が中心となって管理しており、外科系診療科医師、看護師や臨床工学技師と協力して、主に外科手術後患者を対象に、全身管理を行っています。人工呼吸管理中の適切な鎮痛・鎮静、循環管理、経腸栄養を優先した栄養管理などを提供し、全身状態の改善と早期離床・退院を目指しています。
緩和医療
重い病を抱える患者さんや、そのご家族の感じる様々な「つらさ」を和らげるため、症状緩和チームが緩和医療を提供しています。症状緩和チームは、麻酔科医を中心に、精神科医、循環器内科医、腫瘍内科医、緩和ケア認定看護師、薬剤師、管理栄養士、公認心理士で構成しています。それぞれの専門性を生かし、主治医、病棟および外来スタッフ、放射線科やリハビリテーション科のスタッフ、地域の医療機関など多くの関係者と連携することで、心と身体の苦痛を和らげ、患者さんとそのご家族が自分らしい生活を送れるように活動しています。また、緩和ケア外来を開設し、通院治療でも緩和医療を受けることができる体制を整えています。
無痛分娩
当院では、計画分娩で硬膜外麻酔による無痛分娩を麻酔科管理で提供しています。希望での無痛分娩、医学適応の無痛分娩、どちらとも対応していますが、3次救急医療施設で救急患者への対応を求められることから、夜間・休日の希望無痛分娩への対応は、原則行っていません。