当教室の概要

医局長 岩下 耕平

 当教室は山浦健教授をはじめ、准教授1名、講師2名、助教16名、助手25名、大学院生2名、非常勤3名の総勢50名(福岡大学筑紫病院勤務7名を含む)で、手術麻酔管理、術後痛の治療、ペインクリニック外来、緩和医療、集中治療を臨床の柱としています。

 

手術麻酔管理

 当院には手術室が14室あり、年間手術症例数は8,300例余り、そのうち約6,500症例を麻酔科が管理しています。肺移植など手術内容は多岐にわたり、麻酔科医の役割は大きくなっています。手術中の全身管理だけではなく、手術前の全身状態の評価、術後の痛みの軽減など周術期の患者さんの安全を守る医療を提供しています。

ペインクリニック

 痛みの診断と治療を専門的に行う診療分野で、主な対象疾患は帯状疱疹、急性腰痛症などの急性痛と帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、がん性痛、術後痛など神経障害痛を含む様々な慢性痛です。
 急性痛に対しては、神経ブロック療法を主体に、集中的かつ効果的な除痛を行い、治療期間を出来るだけ短くすることを目的にしています。特に急性帯状疱疹痛に関しては、痛みが激しい中等症・重症例は抗ウイルス薬投与と持続硬膜外ブロックによる治療を入院下に積極的に行っています。慢性痛は各種薬物療法を主体に行っていますが、病態によっては局所麻酔薬や神経破壊薬を用いた神経ブロックも行っています。がん性痛は医療用麻薬製剤内服を中心とする外来治療に加え、入院下での内蔵神経ブロックなど他科と協力して行うことも少なくありません。術後の痛みや神経損傷後の痛みなどの神経障害痛の治療も、当科の重要な仕事であり、関連各科、各施設からご紹介をいただいています。

症状緩和チーム

 入院および外来患者に対して、症状緩和チームが中心となり、緩和医療を提供しています。チームは医師、看護師、薬剤師など多職種で構成されており、痛み、精神面での苦痛、化学療法や放射線治療などのがん治療の副作用対策や細かな指導を行っています。

術後の痛みの治療

 術後の痛みは、創傷治癒、離床、リハビリを遅らせ、患者の回復の妨げになります。当院では、術後痛の軽減に早くから注目し、患者さん自身による鎮痛コントロール、PCA(Patient-Controlled Analgesia)を全国に先がけて導入しました。現在、硬膜外PCAや静脈内PCA、あるいは持続神経ブロックで術後の痛みを治療しています。また、術後の回診で、患者さんの状態に合わせた痛みの治療を行っています。

集中治療

 4床の外科系ICUで、術後の全身管理を麻酔科医が主体となって、他の診療科と協力して行っています。早期抜管・離床を目指して、人工呼吸の管理や循環管理、十分な鎮痛と適度な鎮静、栄養管理などを行っています。

教室の特徴

 当科の医局員の出身大学は20校以上にのぼり、消化器外科、形成外科、小児科、救急、整形外科の経歴を持つ人、歯科麻酔科医を目指す人など様々です。過去には産婦人科の経歴を持つ人も所属していました。それぞれの経験を生かした知識、手技を提供し、またそれを皆が尊重し、共有することで教室の発展に繋がっています。
また、積極的に学会発表、海外・国内留学、カンファレンスを行うことで学術的な知識の取得に努めています。
 術前診察の充実、術後の早期回復などの医療制度、時代の潮流に合わせた安全で高度な医療を提供できる医師の育成を目指しています。