ごあいさつ

福岡大学医学部 麻酔科学教室 教授
秋吉 浩三郎


2019年度より福岡大学医学部麻酔科学講座 第四代教授を拝命しました、秋吉 浩三郎 です。当教室は福岡大学に医学部が新設された昭和47年に檀 健二郎 初代教授が開講されました。以降、比嘉 和夫 第二代教授、山浦 健 第三代教授と引き継がれてきた歴史ある教室です。福岡大学医学部のミッションは、 “医療のプロフェッショナルとしての誇りと広い視野を持ち、患者に寄り添い、地域社会に貢献する医師を育成する”ことです。当教室もこうした麻酔科医を輩出し続けていくことを目標にしています。当教室は、以下の4つを基本方針としています。


1. 麻酔科専門医の育成
現在の麻酔科医には幅広い知識と経験が求められており、研修内容の充実が非常に重要です。福岡大学病院では年間約8500件の手術が行われており、心臓・大血管手術・脳神経外科・産科・小児・開胸手術等、十分な研修を積むことが可能です。更に、福岡県内を中心に10施設の関連研修施設があり、密に連携を取りながら研修を進めています。充実した教育スタッフで効率的な専門医教育を行うシステムを確立しており、幅広い基礎的医学知識と技術を修得し、患者や医療従事者と心から理解し合える、豊かな人間性を兼ね備えた医師を育成します。

2. サブスペシャリティの確立
麻酔科学の基礎は麻酔・周術期管理です。周術期の生理機能の調節と侵襲への対応を中心に麻酔科学は発展してきました。現在では、この基礎に加えて、集中治療、疼痛治療、救急医療や緩和医療、周術期の栄養管理や安全管理、内科的治療の鎮静管理など、多数の学問が集合した、広範囲の医学・医療の分野となっています。全てに精通することが望ましいですが、我々がカバーすべき範囲は広がるばかりで、全てに精通することは困難です。そこで、サブスペシャリティの確立が重要です。当教室では、集中治療・ペインクリニック、救急医療だけでなく、心臓大血管麻酔・産科麻酔・小児麻酔・区域麻酔、術後疼痛管理や鎮静治療への参画など、様々なサブスペシャリティを確立しています。様々なサブスペシャリティを持った医師が集まり、より高度な医療を提供できる教室を目指します。

3. 基礎・臨床研究の充実
大学は研究を行う場所でもあります。“痛み“は麻酔の専門分野であり、基礎研究・臨床研究ともに注力しています。また、臨床では、AIの活用や、術前・術後管理が長期予後に与える影響などの臨床研究を進めていきます。各人の希望に応じ、大学院での研究、更には留学の機会を提供していきます。

4. 生活の充実
良い医療の実践のためには、我々医師が身体的・精神的に良い状態でなくてはなりません。医療はストレスの多い職業でもありますから、一旦職場を離れればストレスをリセットする時間が重要です。働き方改革と言うわけではありませんが、家族との余暇や趣味の時間を大事にして欲しいと考えています。また、教室に所属する医師約80名のうち、約半数が女性で、子育て中の医師も多く所属しています。各人の状況に併せ、充実した生活を送ってもらうように配慮します。


我々が貢献すべき領域はますます広がっており、麻酔科医はまだまだ不足していると言わざるを得ません。是非我々の仲間となって一緒に活躍してくれることを期待しています。